悪天候の中… 
 台風18号で京都・滋賀・福井に大雨特別警報が出ています。京都の渡月橋のある桂川、あんなの初めて見ました。
 昨日はわたしが関わっているNPOデフサポートおおさかの「ぼちぼちキッズ」。台風の動向を見て大丈夫と判断して開きました。悪天候で集まりは少ないだろうな、と思っていたのですが、真っ黒い空、雨の中、なんと9名の子どもが来てくれました。うれしかったです。「ここって、楽しいよ!」と子どもが感じてくれたらいいなあと思って「ぼちぼちキッズ」という学びの場を立ち上げて4年。昨日も、楽しく算数、国語、そしてもうすぐ中秋の名月ということで月見だんごを作って食べました。

なぜ、この問題が解けない?
 「ぼちぼちキッズ」、算数はその子の力に合わせてグループに分かれていろいろな課題で勉強しています。きのう、わたしは5・6年生を対象に分数の学習をしました。3問作成して、それぞれ10分ほど考える時間を与えて取り組みました。そのうちの一問を上に紹介します。指導はすべてPowerPointで行っています。
 「3分の1より大きくて、2分の1より小さい分数を三つ書きなさい」です。まず、わたしが「7より大きくて11より小さい数(整数)といえば8,9,10だね。同じような答え方をする問題だよ」っていいました。子どもたちの反応が楽しいです。

子どもA  「先生、でも、3分の1と2分の1の間にある分数がわからないよ。本当に分数があるの?」
子どもB  「こんな問題は学校で習っていないよ」

 この子どもたち、二人とも通分ができます。帯分数も仮分数も知っています。帯分数-仮分数(分母が違っても)の計算が正確にできます。分数を小数に直してまた分数に直すこともできます(例 5分の1=0.2=100分の20)。だのに、上の問題が解けないんですね。

学校での算数教育、どこかおかしいと前々から思っています
 子どもBにわたしは言いました。「学校で本当に分数の意味を教えてもらってたら解ける問題だよ。本当の意味を習っていないんだよ」と。例えば、通分。分母を同じにしてたし算、ひき算する時のルールとしてしか学んでないのではないでしょうか。実は、例えば、「3分の1=6分の2=300分の100」、分母と分子に同じ数をかけても分数の大きさは変わらないということの本当の意味がわかっていないんじゃないかなと思います。
 こういう時、わたしは「ああ、学校では何も教えてやれていないんだなあ」と感じます。同時に「もっと考える算数がしたいなあ」と…。先に、子どもたちの反応が楽しいと書きましたが、楽しいではダメだと…。

 以前、ある先輩教師にこう言われました。「あなたの主張はもっともだけど、今の学校での算数教育は計算ができたら終わり。では、次、次とやらないとどうしようもないんだよ」と。日本の学校教育の現実を具体的に言い表されていると思います。でも、やっぱり上のような問題、楽しく解けるようになってほしいです。中学生でも難しい問題なのかもしれません。

※ どうでもいいことですが、分数の入力というのは面倒ですね。PowerPointでは、作った分数をグループ化したら便利です。あとは数値を変えたらいいだけで…。こんなこと、ここで述べる必要もないと思いますが…。グループ化、便利です。