パワポの活用

自分の「話す」スタイルを一変させたPower Point
 
わたしのPower Point使用は2004年からです。聴覚障害教育の全国大会での研究発表のためでした。その時に結構気に入って、講演や勉強会などでも使うようになりました。授業での使用はその後です。
 Power Pointを使う前は、たとえば、講演準備というと、その講演内容の大事な部分というかキーワードを整理し、それを大きめの短冊(画用紙)にマジックで書き出し、裏にマグネットシートをつけて、話に合わせて黒板に貼っていく、というスタイル。とってもアナログでした。でも、このやり方、教育現場、特に小学校や支援学校では今でも普通に行われているやり方ですよね。このやり方、授業だったら枚数もそんなに多くなくていいんですが、講演なんかだと、短冊を30~50枚も用意するのが普通だったんです。
 こう言ったら、「そんなの用意しなくても、話だけで終わったらいいんじゃない?」と言われるかもしれませんが、どんな場であっても、自分が言いたいことをわかってもらうためにはそれなりの準備はして臨みたいものです。いいかげんな準備では依頼してくれた方にも失礼になります。
 Power Point、使い続けてたらやめられなくなりました。使ってあたりまえというか、なくてはならないものになっていくのに時間はかかりませんでした。でも、使う時の心構えはしっかり持っておきたいです。「自分の話を相手に伝えるためにPower Pointをうまく使う」のであって、「Power Pointがないと話ができない」という状態になったらダメだということです。

教育現場におけるPower Point利用の現状
 教育現場において、Power Pointの利用は広がってきています。では、どのように使われているのでしょうか。実際の使用例を見てみた限りでは、視覚的な理解を助けるための画像やなんらかのデータの提示(投影)が多いようです。他には、昔のフラッシュカード(ご存知ですか?)的な使い方。文字とか数などをカードのようにパッパッと出して練習するやり方です。使用方法はいろいろあっていいと思います。でも、ちょっともったいないですよね。写真や絵の提示だけなら、昔のスライドやOHP(なつかしいですね)と基本的に同じです。デジタル化でちょっとやりやすくなったというくらいでしょう。
 教育現場といっても、幼稚園から大学までいろいろあります。支援学校もあります。高校や大学などでは話し手サイドの都合がいいようにPower Pointを提示主体に使ったらいいと思います。では、小学校や支援学校ではどうでしょう? 「わかるためのPower Point利用」です。その場合、使い方は無限に広がります。Power Pointの提示(プレゼン)を中心とした使用から、もっと違った利用へ。これが楽しくなります。

Power Pointを教材作成ソフトと考える
 
では、どんな使い方をするのかというと、「考える力」を育てる、つけるための利用です。たとえば、算数なら、繰り下がりのしくみがわかる、わられる数とわる数の関係がわかる、切り捨てと四捨五入の違いがわかる、「わかる」ためのスライドを作るということです。教材ソフトというより理解支援ソフトと言ったほうがいいかもしれませんね。
 Power Pointにはこれに取り組めるだけの機能があります。教材作成ソフトというとFlashとか他にもありますが、大事なことは「今一番使われているものを有効に生かす」ということ。教材はいつでも使える、共有できるということが大切なので、メジャーなものをうまく使っていきたいものです。
 すぐには難しくても、このような意識をもって使うことにより、ひとあじ違った使い方は自然と身についてきます。