■ Power Point、使う機能は多くない
「Power Pointってやってみたいとは思うけれど、機能が多い感じでちょっとしんどそう…」という方もおられるでしょう。でも、ソフトの機能って、Power Pointに限らずその半分も使っていないものです。Wordでもそんなものでしょう。Power Pointの場合は、基本的には「誰かが見る」ことになるのでそれを考えたスライド作成をする、まずこれの意識化が必要ですが、その上で、マスターすべきは、文字挿入・画像の挿入・アニメーションの3つだけです。これがなんでもなくなったら、残りの機能は付録みたいなものです。
アニメーションは「これぞ、Power Point!」とでもいうべき機能です。これ、大きく分けて2つのことに使えます。一つは、文字や画像などの出し方にいろんな動きをつける。たとえば、文字が飛んできたり、バウンドしたり。もう一つは、文字や画像を出すタイミングです。簡単に言うと、なにをワンクリックで提示するかということが設定できます。
■ アニメーションのタイミングをうまく活かす
アニメーション、大事なのは動きよりタイミングです。極端に言ってしまえば、文字の動きは一番シンプルな「アピール」中心で十分です。時々、文字をテロップのように出したり、画面の下から出したり、ブーメランみたいに出したりするプレゼンを見かけますが、「考える」ことを大事にしたPower Point利用の場合、こういうことは不要ですし、かえって、こういうことに興味関心が移ってしまって逆効果になります。パソコンそのものを楽しむためのものになってしまいます。
ワンクリックで情報量を決めるタイミングに細心の注意をはらってください。上にあるPower Pointの4つのスライドを見てください。学校ではなくて、手話通訳問題を考える話の際のスライドです。④のスライドがまとめとなっていますが、これを最初から全部出してしまうとPower Pointを使う意味はまったくありません。同じことを書いた紙を見せるだけです。
上の場合は、まず①で自分の考えを先に出し、参加者とともに考えながら自分の考えを強めていく話法です。②でびっくりした顔が出てきます。ここで、聞いている人に、「あなたなら、どんなことばを?」と問いかけます。ある程度出てから、③のスライドで「そんなの、夢じゃない?」ってセリフを出します。「はたして夢でしょうか?」と問いかけます。最後に、④でそれに対する自分の意見を出していく、…こんな感じになります。
大事なのは、「対象となる人たちと対話しながら、考えあいながらPower Pointを使う」ということです。これ、子どもに対しても必要ですよね。これも、「理解を支援するための使用方法」の一つとなります。地味なことかもしれませんが、わたしはこういうことを第一に考えて教材を作っています。
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