■ 算数教育でPowerPointを活用しよう
小学校や支援学校において、PowerPoint利用のしかたはいろいろあっていいでしょう。行事の事前・事後指導の場合はイメージ作りやふりかえりが中心となるので画像やデータをプレゼン的に提示する利用法でも十分意義があると思います。事後指導はどちらかと簡単にすませてしまいがちになるので、ビデオも編集して見せてあげたら楽しいふりかえり学習ができると思います。
聴覚に障害をもつ子どもたちの場合、言葉だけでは十分にイメージをつくれないということがよくあるので、聴覚支援学校においては実際に目で見て学習しようということで、社会見学(校外学習)に行くことが多いです。特に、社会科学習においてはこれが非常に意味があります。わたしは、この社会見学の時は、必ずビデオに撮って編集して事後指導に使うようにしています。一日つぶしてしまう社会見学ですからこのくらいはしないともったいないですね。でも、ちょっとしんどい作業でもあります。「今が旬」ではないですが、ふりかえり学習は1週間以内にしないと意味がありません。どんなにいいビデオを編集したとしても、それが1ヶ月後というのはNGです。ですから、わたしの場合は、見学があった週の土曜日に編集することにしています。
話をPowerPoint利用にもどします。以前の記事にも書きましたが、PowerPointは自分なりの楽しい使い方ができるソフトです。もちろん、教材作成ソフトとしても使えます。何のための教材かというと「理解の支援」です。教科によってどのような理解のしかたが求められるのかはまちまちですが、理解できないと次に進むことができないものがあります。それは、ずばり言って算数です。
■ PowerPointは小学校低学年の数量の理解に威力を発揮する
理解できないと、ずっと苦しみ続ける算数、どこでつまづくのでしょうか。つまづきの原因は子どもによってさまざまですが、わたしは、「数(すう)」と「量」の違いがわかっていないということが大きいと思います。算数教育に熱心な先生方は多くおられると思います。わたしがここで述べるのはおこがましいのですが、次の場合を考えてみてください。
・1円玉が3こ、10円玉が2こあります。
・合わせて何円ですか?→→23円です。
・合わせて何個ですか?→→5こです。
どちらも問い、答えとして成立しています。あたりまえの問題ですが、子どもによってはあたりまえでないことがあります。こだわる子どももいます。両者の違いをどう教えればいいでしょうか。ここで一番大切なのは答えではなくて、「どちらも問いとしては成立する」ということ自体の理解です。また、個数を数える時に、指で「1」「2」「3」…と出して数える子がいますが、この数え方はやはりよくないです。ひとさし指1本だけで数えるべきです。
PowerPointを使って、こういう場合、どう教えたらいいのかを考えてみたいですね。算数においては、特にアニメーション効果をうまく使うことにより、数と量の違い、量の増減などをイメージしやすくすることができると思います。すぐに目立った効果はなくても、まずはつくってみること自体が、教師自身の教授力のアップにつながります。
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