■ デジタルとアナログ
このブログ、ICTについて考えるものですが、アナログもけっこう楽しいものです。このアナログという用語ですが、最近は、デジタルに対してアナログということが多いですね。気になって調べてみたところ、ほんとうは情報を表現する手段として使われるそうで、ある量を別の表現で表すことらしいです。例えば、温度計。「気温」という量を赤い液体の量で表していますね。対してデジタルは、数値で表してしまうということでしょうか。でも、このように理解している人は少ないでしょうね。多くの人たちは、デジタル=新しいもの、アナログ=時代遅れ・古いものというとらえ方でしょう。わたしもそんな感じです。
あんまり難しい話はやめておきます。わたしとしては、デジタル=新しい状態・手法、アナログ=古い状態・手法という感じでいいと思います。
もともとの意味からは離れてしまっているということはさほど重要ではないと思います。一般化している、つまり広く使われているならそれでいいでしょう。
学校教育においてはデジタル、アナログという言葉の使い方はほぼ固まっていると思います。デジタル=「さまざまなデジタル機器を用いる」、アナログ=「昔ながらの手書き・手作りを中心とした方法」ということでしょうか。機器といってもOHP(オーバーヘッドプロジェクター)の使用などは間違いなくアナログでしょう。わたしが最後にOHPを使ったのは10年前です。ガラスの上に透明シートを置いて投影する、なつかしいですね。完全に過去のものとなりました。
■ これからの時代、デジタルが使えなくては話にならない
デジタル、アナログ、双方にメリット・デメリットがあるのですが、これからはデジタルが使えなくてはどうしようもない時代になると思います。一つの教育信条として「わたしはあえてアナログ手法にこだわります」という人もいますが、それはデジタルが使えないことの言い訳であることが多いと感じます。…かといって、わたしはアナログを否定はしません。問題は、デジタル派がアナログをも利用することを是としていることが多いのに対して、アナログ派がかたくなにアナログに固執していることが多いということです。その固執する理由が、やりたくない、できないという理由によるものだとしたらみっともないです。教師たるもの、子どもに理解させるためならどんな方法でも試行錯誤してやってみるという気概をもちたいものです。わたしの場合は、当然、昔はICT機器が何もないころから教師だったのでアナログ的実践は十分にやったという自負はあります。その上でアナログよりもデジタル活用の良さが実感できるからそうしているわけです。新しいことに挑戦もしてみないでアナログにこだわるというのはどうも理解できませんね。
■ アナログ教材作りも、けっこう楽しいものです
教育の現場でアナログ手法といってもいろんな場面があります。だいたいは、昔ながらの「紙」を使うやり方と考えていただいたらいいのですが、わたしが大事にしたいと思っているアナログは、「自分の手で楽しめる、学べる」教材です。そして、どこにでも持って行ける教材です。
材料も身近にあるもので十分です。段ボール、ペットボトルなど…。リサイクルの意識付けにもなります。2点紹介します。どちらも段ボールだけを使ったものです。用意するものは、カッター、のり、ガムテープだけです。
・単位換算ものさし
市販の高い教具を参考に自作してみました。単位、苦手な子って多いですよね。これは楽しみながら簡単に単位が換算できます。例えば、1km=1000m。100km=100000mとすぐにわかります。逆に、小数もできます。赤い1を右にずらすと100m。これをkmで表わしたらkmの下は0だから0.1kmです。
同様にして、赤い1をmmのところまで動かしたら、これは0.000001kmです。「ふーん、おもしろいじゃん!」って使ってるうちに小数の意味が自然とわかってきたりします。
・漢字のつくりを楽しむ
漢字の「へん」「つくり」、「かんむり」「あし」をしっかり意識するのが目的です。カードをたて3枚、よこ4枚に並べて正しい漢字を作っていきます。これ、大人でも難しいんです。考えないで合わせていくとありえない漢字ができてしまいます。これをおもしろく作るコツですが、1枚のカードの四辺の真ん中に「へん」「つくり」「かんむり」「あし」を書きますね。同じものを複数書くことです。例えば、「草かんむり」を2つ、「木へん」を3つとか。こうしたら合わせ方が何通りもできて、なかなか完成しなくなります。
どうでしょう? デジタルと使い分けたら楽しいですね。デジタルをアナログで補完する、アナログをデジタルで補完する、こういう実践もまた大切だと思います。
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