いったいこの気候って…
 10月に真夏日が何日も…。今までなら異常気象というコトバで納得してたんですが、さすがに地球がおかしくなってきていると感じました。今日になってやっと秋っぽい感じになりました。
 今日は、大阪府下のある自治体の手話講習会開講記念のオープニング講演会に講師として呼ばれて行ってきました。ろう者の方もたくさん来ておられました。ろう者の方が多い場では「きちんと伝えなければ…」という気持ちがものすごく高ぶって手話もきばってやるので汗びっしょりになります。でも、久しぶりの再会もあり、楽しい一日でした。

訴えることが変わりました
 講演テーマは、「どうなる? ろう者の教育、生活、そしてバリアフリー」。こういうテーマは以前からやってきたんですが、10年前と比較してわたしの論調も変わってきました。10年前はまだまだハード面でも足りない面が多くあって、「聴覚障害者みんなの力でバリアフリーを要求していこう!」という感じだったんですが、今はこういう気運はあまりないと感じていたんです。デジタル環境も10年前は夢みたいだったことが今ではあたりまえになってることが多いですね。ハード面での大きな変化で聴覚障害者の人たちの多くが変に満足しちゃってるんじゃないかと思っています。
 かつて、聴覚障害者は集まって手話でわいわいやるのが普通でした。でも、最近、若い聴覚障害者と話す機会があって、その人が「家の中でPCで会話できるんだからわざわざ出かける必要ないじゃないですか」と…。愕然としました。すべての人がそうではないのはわかっていますが、やっぱりわたしは、人は出会って、ひざつきあわせて語り合ってこそナンボと思うんです。ですから、今日の講演では、「みんなで話し合って、力を合わせてもう一度がんばろうではありませんか!」というような言い方を何度もしました。

ACジャパンって
 ACジャパンって知ってますか? 以前は公共広告機構という名称だったと思います。いろんな企業が出資して運営されているもので、大きな災害の時に道徳っぽいCMを流してますね。東北の大震災の時は金子みすずの詩を流してました。
 ここが1996年に制作した聴覚障害者関連のCMがタレントの西村知美さんを起用した「協力してください」というCM。聴覚障害者、または手話関係者である方も印象があまりないCMみたいなんですが、わたしはこのCM、初めて見た時は憤りを抑えることができませんでした。「そんなことないだろう。バリアフリーは善意の問題ではなくて、行政や企業の社会的責任において行うべきものだろう!」と…。このCM、企業の責任をたくみにすりかえる汚いCMだと感じて、いろんな場で問題提起してきました。

ACのコマーシャルを作り変えました
 このCMを作りかえたのが、今回アップしたYoutubeです。1996年のものですからVHSテープに録ってました。それをDVDに変換したものが残っていました。それをデータを抜き出してビデオ編集ソフトに入れて編集したものです。
 「あなた、つつきすぎではないですか?」と批判を受けたこともありますが、わたし、このCM、やっぱり嫌いです。バリアフリーはあくまで行政や企業などの社会的責任においてなされるものだと思います。それに触発されていろんな人たちが気づいていくものだと…。やっぱり、このCMは偽善・欺瞞だと思います。