ぼちぼち 書道
日曜日はみんなが動きまわる空間!
 本日は、聴覚障害児の学ぶ場「ぼちぼちキッズ」。今回は、保護者の方々にも集まっていただき、懇話会を持ちました。
   「ぼちぼちキッズ」の場である大阪市中央区・谷町4丁目のデフサポートおおさかは、3スペースになっています。一つはカフェスペース。平日はカフェになっています。その隣は事務スペース。一番奥は作業・学習スペースです。今日の「ぼちぼちキッズ」、集まった子どもたちは9名。スタッフ・理事は10名、保護者の方は7名。合わせて30名近い人たちが寒い日曜日に…。わたし、一つの空間にいろいろな人が動きまわっているのを見るの、ものすごく好きです。
   こういうとき、「やっててよかったなあ…」ってものすごく感じます。だいたい、10名の子どもたちって、地方だったら一つのろう学校を上回る数です。楽しんできてくれる子どもたちはもちろん、信頼して来させていただいている保護者の方々にも感謝!です。

「ぼちぼちキッズ」は、他とはやっぱりちがう!
  保護者の方々との懇話会では、いろいろな意見・要望をいただきました。「ぼちぼちキッズ」は小学4・5・6年生対象なのですが、来年度は中学生のための取り組みも考えていきたいと思います。
 最近は、聴覚障害児やその他のいろいろな課題をもつ子どもに対する学習塾が開かれるようになってきています。塾の弊害が指摘されてはいますが、聴覚障害児の子どもたちが一般の塾に行こうとすると、コミュニケーションの壁がたちはだかります。手話で教えてくれる塾というのは皆無に等しいです。ですから、聴覚障害児もあたりまえに学べる場が増えてくるのはとてもいいことだと思っています。
 しかし、わたしは“理念”をも大事にしたいと考えています。「個々の子どもに合った学習指導をしますよ」というのもいいかもしれませんが、それだけでは、それこそただの塾です。「学び」というのはもっと広いものであるべきだと思うのです。
 わたしが学力と同じくらい大事にしたいのは、「みんなで集まって学ぶことを楽しむ」「自分と相手、お互いの違いを認めあう」「共に力を合わせて取り組む」ということです。学力、いろいろな体験、いろいろな出会い、いろいろな気持ちの動き、すべて「学び」です。
 聴覚に障害を持つ子どもたちの人間的な成長をめざして、今後も豊かな学びの場を作っていきたいと思います。

書道で…
 今日の「ぼちぼちキッズ」は、算数学習のあとは、書道でした。書道、若いスタッフが担当してくれました。まずは、漢字のとめ・はね・はらいの練習。そして、「早春」の字を…。次に今年の自分の目標を書初め用半紙に。「マラソン、がんばる」「全力完走」「真剣勝負」。また、「成長する」「強くなる」と書いた子もいました。「財を成す」ってすごいこと書いた子もいたんですが、わたしはこれもひとつの人生展望だなと思いました。
 最後に、大きな模造紙に「オリンピックマーク+2020+TOKYO」。これ、みんなで交代で書くんですが、スタッフは「みんなで誰がどの字をどこに書くか、相談してやってください。みんなにまかせます」と…。10分ほどみんなで相談しあって、見事書きあげました。わたしは「ぼちぼちキッズ、みんなでがんばるぞ!」とでも書いてほしかったんですが、これはこれでいいですね。硬直化した学校ではできないことに取り組めるのも、「ぼちぼちキッズ」ならではです。